なぜ子どもは薬を嫌がるのか
子どもの味覚は大人よりも鋭敏で、薬の苦みや独特のにおいを感じやすいといわれています。また、「飲み込む」という動作がまだ慣れていない小さなお子さんや、以前に薬を飲んで苦しんだ経験から拒否するようになるケースも少なくありません。
無理やり飲ませようとすると、それがトラウマになりさらに嫌がることにつながることもあります。お子さんの年齢や状況に合わせた方法を試してみましょう。
薬の形態別の飲ませ方
散剤(粉薬・こな薬)
粉薬は子どもが最も嫌がりやすい形態のひとつです。次の方法を参考にしてみてください。
- ペースト法:少量の水(5〜10mL程度)で練ってペースト状にし、清潔な指や小さなスプーンで頬の内側や上顎に塗りつける。その後すぐに水や白湯を飲ませると飲み込みやすい。
- 食品混ぜ込み法:アイスクリームやプリン、ジャムなど一口分(ティースプーン1杯程度)に混ぜる。食品に混ぜる場合は全部食べないと正しい量が摂れないため、少量にすることが大切です。また薬により食品との相性も異なりますので、不明な点がある場合は薬剤師にご相談ください。
- 溶かして飲む:少量の水や白湯に溶かして飲む。ただし薬によっては水に溶かすと苦みが出やすくなるものもあります。
シロップ(液剤)
- スポイトや付属の計量スプーンを使い、頬の内側に少しずつ流し込むようにします。一度に多く入れると吐き出すことがあります。
- 哺乳瓶の吸い口にシロップを入れて吸わせる方法も有効です(乳児の場合)。
- シロップは冷蔵保存が必要なものもあります。処方時に薬剤師から伝えられた保存方法を守りましょう。
- 少量のジュースで薄めると飲みやすくなる場合がありますが、薬との相性があるため薬剤師に確認してください。
錠剤・チュアブル錠
- 錠剤を飲める目安は一般的に小学生以上です。十分な量の水と一緒に飲み込みます。
- チュアブル錠は嚙み砕いてもよい形態ですが、薬によっては嚙まずに飲む必要があるものもあります。必ず指示を確認してください。
- 錠剤を半分に割って飲む場合は、医師・薬剤師の指示のもとで行いましょう。コーティングされた錠剤(腸溶錠)などは割ると効果が変わることがあります。
混ぜてもよい食品(例)
- バニラアイスクリーム
- チョコレートクリーム・ジャム
- プリン・ゼリー
- リンゴジュース・スポーツ飲料(少量)
- はちみつ(1歳以上のみ)
混ぜてはいけない食品(例)
- グレープフルーツジュース:一部の薬の血中濃度を変える可能性がある
- 牛乳:一部の抗生物質(テトラサイクリン系など)の吸収を妨げることがある
- 熱い飲み物・食べ物:薬の成分が変質することがある
- スポーツ飲料(大量):薬によっては吸収に影響する場合がある
※薬の種類によって異なります。不明な場合は薬剤師にご確認ください。
飲ませるタイミングを守ることの大切さ
処方された「食前」「食後」「食間」「就寝前」などのタイミングは守るようにしましょう。これらは薬の効果を最大限に発揮するため、または胃への刺激を和らげるために設定されています。
「食後に飲む」薬の場合、食事を抜いた時でも少量の食事(ビスケット1〜2枚など)を食べさせてから飲ませるとよい場合があります。迷った場合は薬剤師にご相談ください。
こんな時はどうする?
薬を吐き出した・嘔吐した場合
- 飲ませてすぐ(5〜10分以内)に吐いた場合:薬がほとんど吸収されていない可能性があります。主治医や薬剤師に相談してから再投与を検討してください。
- 飲んで30分以上経ってから嘔吐した場合:ある程度吸収されている可能性があるため、基本的に再投与は必要ありません。
- 迷った場合は無理に飲ませず、かかりつけの医もしくは薬剤師に相談しましょう。
飲み忘れた場合
次の服用時間が迫っている場合は飲み忘れた分を飛ばし、次の時間から通常通り飲むのが基本です。ただし薬の種類によって対応が異なるため、処方時に薬剤師に「飲み忘れた時はどうすればいいですか?」と確認しておくと安心です。
絶対に守りたい:用量・用法を正しく
子どもの薬の用量は体重・年齢に合わせて計算されています。「早く治したい」からといって用量を多くしたり、大人用の薬を量を減らして代用することは大変危険です。必ず処方された量・回数・日数を守りましょう。
市販薬を使用する場合も、対象年齢や用量を必ず確認してください。
この記事のポイント
- 粉薬はペースト法や少量の食品への混ぜ込みが有効
- グレープフルーツ・牛乳・熱い食べ物との混合は要注意
- 食品に混ぜる場合は一口分(少量)に混ぜ、全部食べさせる
- 飲ませてすぐ吐いた場合は薬剤師・医師に相談してから再投与を判断
- 用量・用法は必ず守る。大人用薬の流用はしない