調剤の流れ(STEP 1〜6)
STEP 1:処方箋の受付・確認
薬局スタッフが処方箋を受け取り、内容を確認します。この段階でチェックするのは以下の点です。
- 処方箋の有効期限(発行日を含め4日以内)
- 病院名・医師のサイン・患者情報の記載
- 記載内容に不鮮明な部分がないか(必要に応じて処方医へ照会)
記載に疑問点がある場合は、患者さんをお待たせしながらでも処方医に確認する義務が薬剤師法で明記されています。これを「疑義照会」といい、薬剤師の重要な役割のひとつです。
STEP 2:薬歴、お薬手帳の確認・相互作用チェック
薬剤師が患者さんの「薬歴(過去の処方記録)」や「お薬手帳」を参照し、安全性を確認します。
- 他の医療機関で処方されている薬との飲み合わせ(相互作用)のチェック
- アレルギーや過去の副作用歴の確認
- 同じ成分が重複して処方されていないか
- 年齢・体重に対して用量が適切かどうか
この工程は患者さんの目には見えませんが、安全な服薬を守るための非常に重要な確認です。お薬手帳はこのチェックの精度を高めるために役立ちます。
STEP 3:調剤(薬の準備)
薬の形態によって異なる作業が発生します。
- 錠剤・カプセル:規定の錠数を正確に数える。場合によっては一包化をするため時間を要することもあります
- 散剤(粉薬):電子天秤や分包機を使い、1回分ずつ正確に分包する
- シロップ(液剤):必要な量を計量し、ボトルに詰める
- 軟膏・クリーム:複数の成分を混合する「混合調剤」を行う場合もある
特に散剤の分包は量の誤差が直接患者さんの安全に関わるため、専用の機械と薬剤師の確認が欠かせません。
- 体重・年齢に合わせた量を計算して分包
- 複数の薬を混合する場合は配合変化(変色・変質)の確認も必要
- 1包あたり0.01g単位の精度が求められる
STEP 4:監査(ダブルチェック)
調剤した薬を、調剤を行った薬剤師とは別の薬剤師が二重にチェックします。これを「監査」といいます。
- 薬の品名・規格・数量が処方箋と一致しているか
- 用法用量の表記が正確かどうか
- 外観・有効期限に問題がないか
- 薬歴やお薬手帳の内容と照らし合わせて、相互作用や重複がないか再確認
このダブルチェックは医療機関における安全管理の基本であり、調剤ミスを防ぐための最重要ステップです。
STEP 5:薬袋・ラベルへの記載
患者さんへお渡しする薬袋に、以下の情報を記載します。
- 患者名・薬品名・規格・数量
- 用法用量(食前・食後・就寝前など)
- 保管上の注意(冷蔵保存など)
- 飲み合わせの注意(グレープフルーツ禁忌など)
STEP 6:服薬指導
最後に薬剤師が患者さんへ直接ご説明します(服薬指導)。法律上、薬剤師による服薬指導は義務とされています。
- 薬の効果・用法・副作用の説明
- 飲み忘れた時の対処法
- 日常生活上の注意点(食事・運動・アルコールなど)
- お薬手帳への記録
待ち時間が発生する理由
薬局でお待ちいただく時間は、単に棚から薬を取り出す作業だけではなく、このような複数の確認・安全チェックの工程を行い、患者様の健康を守るためなのです。特に初めての処方箋や、複数の薬が出ている場合、疑義照会が必要な場合などは、さらに時間がかかることがあります。ご理解いただけると幸いです。
待ち時間を短縮するためには、LINEによる処方箋の事前送信が有効です。詳しくはLINEで処方箋を事前送信するメリットをご参照ください。
この記事のポイント
- 処方箋受付→薬歴確認→調剤→監査→ラベル作成→服薬指導の6ステップ
- 薬歴チェックや疑義照会など、見えないところで安全を守る工程がある
- ダブルチェック(監査)は調剤ミスを防ぐ重要なステップ
- お薬の一包化や散剤の分包には時間を要することが多い